肌荒れや肌の乾燥を防いでくれるとして、ヒアルロン酸やプラセンタとともに、美容に関心が高い人の間では知らない人がいないコラーゲン。
コラーゲンにまつわる様々な噂がありますよね。
「コラーゲンって、結局効果があるの?」
「コラーゲンの効果は医学的に証明されてるの?」
「コラーゲンってサプリ、ドリンク、化粧品といろいろあるけど、どれが一番効くの?」
そんな疑問にこたえるべく、この記事では、コラーゲンの最新情報をお伝えします!
時をさかのぼれば、コラーゲンは2007年頃から大流行しました。
当時流行っていたものは、思いつく限りでもこれだけの商品があります。
・お鍋に入れるコラーゲンボール
・コラーゲン入り化粧品
・コラーゲン入りドリンク
・コラーゲン入りのグミや飴
・お米やコーヒーなどに入れるコラーゲンパウダー
・コラーゲン注射
コラーゲン鍋に関しては、コラーゲンボールがじゅわ~っと溶けていく様子がなんともいえなかったのを覚えています。また、ほかの商品も、コラーゲンが入っているというだけで、ついついそちらを選んでしまっていた気がします。
いまでも、コラーゲン入りのドリンクやパウダーは健在ですね。
私は最近小さなシミが気になるようになり、コラーゲンを積極的に摂らないといけないのかな、と思ってきたところです。
コラーゲンの効果があると分かれば、早速試してみたいところですが・・・。
どこまで効果があるのでしょうか?また、効果的な摂り方はあるのでしょうか?
目次
コラーゲンとは?肌・しみ・乾燥を防いでくれるなど効能がある?
そもそもコラーゲンとはなんなのか、まずは簡単に説明しましょう。
コラーゲンは元々人間の体に備わっている成分で、たんぱく質の一種です。人間の体にあるたんぱく質の3割ほどはコラーゲンと言われており、その多くは皮膚や骨を構成しています。
コラーゲンは代謝によって常に生まれ変わるものですが、年齢とともに代謝が落ちてくると、新しいコラーゲンができにくくなってしまうという性質があります。
したがって、コラーゲンが足りなくなると、骨粗しょう症や皮膚の乾燥、爪が割れるといった症状が出てきてしまうのです。
それでは、コラーゲンの役割にはどんなものがあるのでしょうか。
まずは、お肌の乾燥を防いでくれます。
また、シミにも効くと言われています。
キズの治りもはやくなります。
爪や髪の毛を強くするはたらきもあります。
コラーゲンは、健康食品だけでなく、身近な製品にも利用されているんですよ。例えば、シリコンと比べると後に残らないので、手術糸などとして利用されているようです。
コラーゲンの噂は本当?嘘と本当の話
次に、気になるコラーゲンにまつわる話の信ぴょう性について。
お肌がプルプルになるとして、化粧品をはじめサプリやドリンクなどが出ていますよね。
私はお医者さんの知り合いがいるのですが、一昔前、彼は「コラーゲンはただのゼラチンだよ」と言っていました。これはどういうことなのでしょうか。
コラーゲンは、体になくてはならない成分だったんですよね。
コラーゲンを摂取すれば皮膚はプルプルに、爪は割れにくくなるような気がします。
2007年ごろ、コラーゲン入りの商品が流行したときには、「コラーゲンは効果がない」という意見がありました。口や肌からコラーゲンを取り入れたからといって、摂取したコラーゲンがそのまま体に取り込まれるわけではないからというのが理由です。
加えて、お医者さんが言っていた「ただのゼラチン」というのは、コラーゲンは栄養価が低いということで、そういう言われ方をしてしまったんです。
コラーゲンは、熱を加えるとゼラチンになります。ゼラチンには必須アミノ酸(体で合成されない、食事で摂る必要があるたんぱく質)が含まれていないため、必須アミノ酸が含まれているほかの食品と比べてしまうと栄養価が低いというわけです。
しかし、近年の研究でコラーゲンを摂ることにはアミノ酸摂取以上の意味があるらしい、ということが分かってきました(参考論文:Inoue N, Sugihara F, Wang X(2016). “Ingestion of bioactive collagen hydrolysates enhance facial skin moisture and elasticity and reduce facial ageing signs in a randomised double-blind placebo-controlled clinical study,” J Sci Food Agric. 2016 Sep;96(12):4077-81. doi: 10.1002/jsfa.7606. Epub 2016 Feb 10.)。
コラーゲンは、酵素分解するとコラーゲンペプチドという物質に変化します。コラーゲンペプチドの状態で体内に取り込まれた成分は、分解されずにペプチドの形のまま残ることがあり、その場合アミノ酸に分解されずにコラーゲンの働きをしてくれるとのことです。
なお、コラーゲン⇒ゼラチン⇒コラーゲンペプチド⇒アミノ酸の順で分子が小さくなっていきます。健康食品にはいっているものはコラーゲンペプチドです。
コラーゲンを摂取すると、どんな効果があるのでしょうか?次の項目でお伝えします。
コラーゲンサプリやドリンクの効果は?
今までの流れをまとめると、コラーゲンとは骨や肌を守ってくれる人間になくてはならない要素で、加齢などにより体内で生産されにくくなるものでした。
コラーゲンを外部から取り入れる場合、本来コラーゲンはたんぱく質がアミノ酸に分解されてから合成されるものなので、食生活に気を付けるくらいしかできることはありませんでした。
しかし、近年の研究では、コラーゲンを直接摂取することでコラーゲンペプチドを取り入れることができるということが分かってきました(参考論文:Misato Yazaki, Yukihiko Ito, Masayoshi Yamada, Spyros Goulas, Sachiyuki Teramoto, Masa-aki Nakaya, Shigeo Ohno, and Kohji Yamaguchi(2017)”Oral Ingestion of Collagen Hydrolysate Leads to the Transportation of Highly Concentrated Gly-Pro-Hyp and Its Hydrolyzed Form of Pro-Hyp into the Bloodstream and Skin,” Journal of Agricultural and Food Chemistry 2017 65 (11), 2315-2322 DOI: 10.1021/acs.jafc.6b05679)。
コラーゲンペプチドはコラーゲンが変化した物質で、コラーゲンペプチドによってコラーゲンの生成が促されます。
コラーゲンペプチドを摂ることによる骨や肌の修復機能について、いくつかの現象が確認されれているので、紹介します。
乾燥肌に潤いを取り戻す
皮膚は紫外線などの外的要因で、肌荒れを起こすことがあります。また、季節的な要因で、肌が乾燥することもあります。
肌そのもの(正確には真皮という層)にコラーゲンが含まれていますが、コラーゲンを摂取することで、そうした皮膚へのダメージを修復して、本来の潤いをもった皮膚をつくりだしたという実験結果があります。
骨密度の回復
まずは、骨密度が低下した状態でコラーゲンを摂取すると、通常より骨密度が回復するスピードが速まるというものです。
特に女性は閉経すると、女性ホルモンの分泌が少なくなるので、その影響で骨がもろくなると言われていますよね。骨粗しょう症の方や骨折してしまった方にとっては嬉しいニュースなのではないでしょうか。まだ自分は関係ない、と思っている人も、以下にあてはまれば骨粗しょう症のリスクがあるので、コラーゲンの効果が期待できるかもしれません。
- ふだん運動を行わない
- ダイエットをして急激に痩せた
- 煙草を吸う
- 糖尿病など肝臓に疾患がある
- 家族に骨粗しょう症の人がいる
- 高齢である
間接痛の緩和
間接痛で悩んでいる方が、コラーゲンによって痛みが和らいだという実験結果があります。ただし、普段何を食べているかで、効果を感じられるかどうかは左右されるようです。関節痛とは、具体的に、変形性関節症、関節リウマチ、関節障害といったものがあてはまります。
変形性関節症は、こんな人がなりやすいといわれています。
- 肥満かそれに近い
- ほとんど運動をしない
- 足がO脚気味
間接リウマチになるのは7~8割が女性だそうです。
高齢かどうかは関係なく、以下のような症状が特徴です。
- 症状の出はじめは、手足の指のこわばり・腫れ・痛みを感じる
- 症状が進むと貧血や腎臓障害などになることがある
- 微熱やだるさが続く
- 体重が減ることがある
間接障害は、高齢になってからスポーツを始める人がなりやすいと言われています。突然、激しい運動をすることによって関節に問題が生じてしまうのです。
そのほかの効果
割れやすかった爪が割れにくくなる、毛髪の太さを太くするという結果も出ています。
まだ研究途上のため、医薬品のようにはっきり効果が出るとは言い切れませんが、期待できる内容でしたね。
コラーゲンの適切な摂取量は?
これまでコラーゲンを摂ることのメリットをお伝えしてきました。それでは、どのくらい摂取したらよいのでしょうか?
一日あたりで換算すると、5~10g摂取すると丁度いいらしいです。
食事でコラーゲンを意識するなら、コラーゲンの元である良質なたんぱく質を取る必要があります。
しかし、ただタンパク質(肉や魚など)だばかり摂ればいいというわけではありません。
コラーゲンを合成させるためには、同時にビタミン・ミネラルを摂取する必要があります。
また、プロリンというアミノ酸の一種は、コラーゲンの再生を助けます。こんぶや鶏卵、鳥肉、チーズやトマトといった食品や、緑茶にも含まれています。
例えば、以下のようなメニューはたんぱく質・ビタミン・ミネラル、プロリンを同時に摂取することができます。
・蒸し鶏とにんじんと海藻のサラダ
・手羽先の照り焼きと、キャベツスープ
・サーモンのたたきと、ホウレン草の卵和え
コラーゲンは、毎日摂り続けることが大切です。
毎日しっかり栄養管理できればベストです。
が、なかなかそうはいきませんよね・・・。
次は、そんな時の救世主、コラーゲン入りの商品をご紹介します。
コラーゲンの化粧品・コラーゲンのサプリ・ドリンクなどの選び方は?
コラーゲン入りの商品といっても、肌に塗るもの、口から摂取するもの、といろいろあります。どんなものを選んだらよいのでしょうか。選び方のポイントをお伝えします。
コラーゲン化粧品の選び方
コラーゲン入りの化粧品は、①通常の保湿効果②体内でコラーゲンの生成を促すの2つの目的があります。
①の通常の保湿効果は、どの化粧品でも一定の効果があるでしょう。
しかし、②のコラーゲンの生成を促すという目的を達成するためには、コラーゲン分子の小さいものを選びましょう。なぜなら、分子が大きすぎるとそもそも肌に浸透しないので、低分子化された(分子が細かい)ものであるかをチェックするのです。
コラーゲン健康食品(サプリ・ドリンク・粉末など)の選び方
コラーゲンを経口摂取する場合も、コラーゲン入りの化粧品と同様、分子の細かいものを選んだ方が吸収率が高くなります。
また、コラーゲンは材料によって特徴があります。
魚由来か、動物由来かで分けられ、いずれも皮の部分からコラーゲンを抽出します。
動物由来のコラーゲンのメリット・デメリット
動物(鶏や豚など。大半は豚皮)由来の商品は、商品として多く出回っており、魚由来と比べてコスパが高いのが特徴です。
一方で、魚由来と比べると、吸収率が悪いというデメリットがあります。同じ大きさの分子で比べたとき、分解しやすさが魚由来の7分の1と言われています。動物由来の分子は構造が丈夫にできているため、体内で分解されにくく、分子量が小さいほど吸収率が高くなるという法則においてはデメリットになっていまします。
また、魚由来にはない特有の事象として、病気の感染リスクがあります。魚から人間に病気が移ることはあまりありませんが、豚や牛などの動物であれば、移る可能性があるからです。例えばBSE(狂牛病)が問題になって以降、牛由来のコラーゲンは使われていません。
加えて、魚由来の商品と比べると匂いが気になる人もいます。
デメリットを理解した上で、手軽にコラーゲンを摂取したいなら、まずは安価な動物由来のコラーゲンで始めるのはいいかもしれません。
魚由来のコラーゲンのメリット・デメリット
魚由来のコラーゲンは、動物由来と比べて吸収率が良いといわれています。(大原 浩樹, 伊藤 恭子, 飯田 博之, 松本 均(2009). コラーゲンペプチド経口摂取による皮膚角層水分量の改善効果 日本食品科学工学会誌, 2009 年 56 巻 3 号 p. 137-145)
いくらコラーゲンの含有量が多くても、吸収されなかったら意味がないので、吸収率の高さ=分解しやすさは最重要項目といってよいでしょう。
魚由来の場合、皮ではなく鱗から抽出しているものもあります。皮と鱗を比べると、硬い鱗よりも柔らかい皮からの方がコラーゲンをそのままの形で抽出しやすいという特徴があります。鱗からコラーゲンを取り出すには、塩酸を使って溶かしだす必要があるため、鱗に塩酸が残ったり過程でコラーゲンの活性度が下がってしまう可能性がああるのです。
魚由来のデメリットは、添加物の多さです。魚の皮や鱗から取り出したコラーゲンは、傷みやすく臭いがきついため、抽出した時点で様々な添加物を加えています。したがって、私たちの口に入れる段階ではかなりの量の添加物が入っていると思っていいでしょう。
多少匂いが気になるかもしれませんが、無添加の魚皮由来コラーゲンであれば、吸収率が高く、添加物が多いというデメリットを克服しています。
コラーゲン入りの商品を使うときの注意点!デメリットはある?
上記では、化粧品や健康食品でコラーゲンを摂る方法についてお伝えしてきました。
しかし、注意しなければいけない点もあります。それは、「摂りすぎないこと」です。
1日の適正量5~10gを守りましょう。
単純な話ですが、たんぱく質は体に必要とはいえ、食べ過ぎれば太ってしまいます。
さらに、動物の皮には脂質が多く含まれている為、お肌に吹き出物ができたり、セルライトの原因もなっていまいます。
サプリメントを飲むときには、体に合うかどうかよく確認してからにしましょう。アレルギーチェックはもちろん、腎臓が弱い人は、頭が痛くなったり、むくみが出るなどの症状がでる場合があります。
まとめ
コラーゲンは、体になくてはならない成分ですが、加齢とともに体で生成しにくくなっていきます。
コラーゲンを外部から取り入れるときは、適正量を守った上で、食事やその補助としてのサプリメント等を利用すると便利です。
ご自分の体質や、商品の選び方に注意して、コラーゲンを活用しましょうね。
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